P.S.

日々のあとがき

読書は楽しい

最近読んだ本の感想を書き留めておきたい気持ち高まり気味な夜が続いていたので、つらつらと書き記していこうと思います。

本でも音楽でもそうだけど、好きなものへの思いを言葉にすると、その時揺り動かされた感情の動きを刻みつけておく感じがしてよいですね。よいよい。

若干ネタバレもしてしまう気がするんだけど、でもきっとこれから読む人もいない気がするしまぁいいか笑

 

1冊目:イーユンリー「独りでいるより優しくて」

 

下北沢のビビビで古本を物色していた時に偶然出会った一冊。作者のことも全く知らなかったのだけど、タイトルと表紙が好みだし読んでみるかーぐらいのふんわりした気持ちで読み始めたんですが、しっかり背筋伸ばして向き合わないといけないタイプの本でした。大分濃いめでした。

物語としては、過去に起こった毒混入事件を軸に、登場人物達の人生が痛ましく荒涼な孤独へと導かれていく心理サスペンスもの。

少しずつ明らかになっていく事件の真相が常に張り詰めた緊張感を与えている全体の構成も見事だったけど、何より主人公達が抱えた心の傷を、静謐でありながら悲しみ、痛みをたたえた文章で丁寧に描写していて、それがとても美しい。

いつの間にか自分自身の記憶の扉も開かれて、主人公達の辿り着いた孤独へと引き寄せられような、そんな感覚を味わうことが出来ると思います。

ただ、文章の美しさと引き換えに分かりにくい比喩が多用されてたりするので、読むのに時間はかかるかも。。3週間ぐらいかけてやっと読み終わりました笑

なので、腰を据えて本を読みたい気分の時に読むのがオススメ。作者の他の著書も良さそうなので、開拓していきたい、、

 

2冊目:ブッツァーティタタール人の砂漠」

 

カフカの再来とも呼ばれているブッツァーティ先生の幻想小説

国境警備隊の要所から外され、最早見捨てられた砦に赴任した、英雄を夢見る主人公ドローゴの一生。その日々は思い描いていた生活とは乖離していて、ひたすらに退屈な日々が続いていく。それでも叶うことの無い虚しい希望を抱きながら過ごしていくその姿、その生き様は、現代人の側に寄り添う現実と向き合っている姿と似ている部分もあり、非常に普遍的だなと。

何よりこの小説、「時の遁走」がテーマなだけあって、時間経過の描き方が絶妙なんですよね。歳を重ねていく度に加速していく時間の流れ、そしてある時点で遁走は魔法が破れたように止まり、澱んでいく時間、、個人的に、この小説は後者の時間の澱みを描いたことによって、傑作と呼ばれるものに昇華したんじゃないかと思ってます。

カフカの再来と言われているのは、夢のような世界観の中で不条理や不安が横溢している作風だからこそなのかなーと思ったり。。カフカを再読して、どれぐらいカフカっぽいのか比較してみるのも楽しそう笑

 

とまぁ色々読んでいるのは、正にタイトルの通りです。楽しいよね、読書。

漫然と過ごす日々の中で立ち止まる場所を確保出来るのが、読書の醍醐味だと思ったり。。

これ以外にも色々読み進め中なので、気が向いたらまた感想を吐露していきたいです!ね!

 

そして暗い本を読んだ後には家でゆるキャン△を見るとより幸せになれます。リンちゃん本当に可愛い。すごい。

https://m.youtube.com/watch?v=vKZHnNF-v_Y